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交流波形の解析方法

DCACインバータのサンプル回路「dcac_inverter_loss_sample.scicir」を使用して、交流波形の解析方法について説明します。

Example

power_palette/dcac_inverter/dcac_inverter_loss_sample.scicir

Note

回路ファイルはサンプル回路TOPページからダウンロードできます。


回路の読み込み

サイディームを起動し、File > 開くをクリックして「dcac_inverter_loss_sample.scicir」を開きます。

fig


素子の確認

サンプル回路には損失解析に使用される素子が組み込まれています。
1. Detail Nch FET
2. コア損失解析対象素子(インダクタ)
3. 電圧プローブ
4. 電流プローブ

fig


損失解析前の準備

損失解析を行う前に、十分に定常状態にする必要がある為、Transient解析を行い定常状態となる時間を確認します。
fig

解析方法の選択

損失解析を行うため、シミュレーションモードはPowerを選択します。
今回は詳細損失解析を行うため、Switch ModeDetailを選択します。

fig


Specified Cycleによる解析方法(高速)

この解析方法では、商用周波数50Hzの交流波形を出力した際の効率を解析します。 この時、全てのスイッチング動作について解析を行うとシミュレーション結果としては精度が高くなりますが、解析時間がかかります。そこで、大まかに効率を把握するため、まずは本章の方法を用いて、高速に解析することをお勧めします。

パラメータ設定

下記の通り、各パラメータを設定します。

Analysis Cycle: Specified Cycleを選択
Tolerance: 1
Switching Base: 空白
Frequency: 50
Sample Number: 9

fig

Note

Specified Cycleを選択した場合、Frequencyの逆数が損失解析サイクル時間となります。
このとき損失解析サイクル時間は固定時間となり、この値を利用することにより任意の損失解析サイクル時間が設定できます。Frequencyに50を入力することにより、損失解析サイクル時間を50Hz(20msec)に設定しています。

Note

Sample Numberのパラメータにより、スイッチング損失を計算するポイント数を設定できます。
本サンプル回路では、スイッチング周波数を20kHz、Frequencyを50Hzに設定している為、電力計算時間は20ms(スイッチング損失の計算ポイント数は400ポイント)となり、トータルの計算時間が長くなります。
この状況を緩和するために、Sample Numberに比較的小さい値(本説明では9)を設定すると、必要な電力計算時間をSample Number数で等分割したポイントのみでスイッチング損失計算し、その平均値を近似値として結果を表示します。これにより、計算時間を大幅に短縮することができます。
なお、サンプルポイントはできるだけ非対称が好ましいのでSample Numberには奇数を設定しています。

パラメータの設定が完了したら、実行ボタンをクリックしてシミュレーションを開始します。

結果リストの確認

結果リストが表示され、解析完了となります。
下図は損失解析サイクル時間を50Hz(20msec)で解析した結果です。 fig


Specified Cycleによる解析方法(詳細)

この解析方法では、商用周波数50Hzの出力時、全てのスイッチング損失について解析します。先述の高速解析を行った場合と比較して、差があるか確認します。

パラメータの変更

前章の設定から、Sample NumberAllに変更します。

fig

パラメータの設定が完了したら、実行ボタンをクリックしてシミュレーションを開始します。

結果リストの比較

結果リストが表示され、解析完了となります。
図は、左側が今回のSample NumberAllに設定した結果で、右側が前章のシミュレーション結果です。 fig

全てのスイッチに対して解析を行う場合、シミュレーション時間が多くかかりますが、より精度の高い結果を得られます。まずは、高速に解析し、その後詳細に解析することをお勧めいたします。