制御順序
SCALEには多くの制御素子があり、メイン周期の開始時に制御動作する場合と、
動作周期(メイン周期またはFRD周期)の終了時に動作する場合があります。
それぞれの場合において制御に関係した素子が複数存在する時の制御順序は以下となります。
各周期の説明
動作周期
動作周期はメイン周期、またはFRD周期のことを指します。
素子がFRD
に登録されていない場合は動作周期 = メイン周期
FRD
に登録されている場合は その素子の動作周期 = FRD 周期となります
動作周期の終了後に行われる更新処理は、
上記の動作周期に応じてメイン周期の終了時、またはFRD周期の終了時に発生します。
メイン周期
メインメニューのFrequencyで定義される周期です。
SCALEのすべての解析の基本となる周期です。
FRD周期
FRD素子の周波数で定義される周期です。
メイン周期開始時の制御順序
メイン周期開始時の制御順序順序は下記となります。
- メイン周期が開始
- プログラマブル電圧源が更新
- POSTがチェックされていないPRC素子が更新
Note
この制御はFRD周期の開始時には発生しません。
動作周期終了時の制御順序
動作周期終了時の制御順序は下記となります。
- 動作周期が終了
- 演算器素子が機能し演算器素子の出力が更新
- DSP素子が更新
- POSTがチェックされているPRC素子が更新
- 4.までに決定された状態において、
SFM素子の入力電圧が計算され、それに基づいて動作周波数が更新 - 5.までに決定された状態において、PWM素子の入力電圧が計算され、
それによって変調される状態変化時刻が更新
このとき、時比率制御を行っている場合の時比率の計算には、
5.までに決定された動作周期を使用 - 6.までに決定された状態において、DPM素子の入力電圧が計算され、
それによって変調される素子パラメーター値が更新 - 7.までに決定された状態において、SYC素子によって制御される状態変化時刻が更新
メイン周期とFRD周期の同時刻制御順序
メイン周期とFRD周期の終了時刻が同じ場合
(例えばメイン周波数100kHz、FRD周波数50kHzなど)は、
FRD周期終了時刻で実行される制御が先で、
メイン周期終了時刻で実行される制御が後になります。
同種類の素子の同時刻制御順序
複数のPRCまたはDSPが同じ時刻で実行される場合の制御順序は下記となります。
- デフォルトでは素子の生成順序となります。
- FRD登録素子ではない場合は、
メインウィンドウでは、ツールバー内のParameter:Control Order
で、
カスタムウィンドウでは、ツールバー内のFunction:Control Order
で変更可能です。
ダイアログボックスのListで素子をクリックし、Orderで順序を指定します。
FRDの順序もここで指定できます。 - FRD登録素子の場合は、FRDのダイアログボックスで登録した順序となります。
- 以上の制御順序設定は、それぞれのメイン回路、カスタム回路において可能です。
メイン回路、カスタム回路で交差する設定はできず順序は不定です。
PRC、DSP以外の素子の制御順序は、生成された順序となります。
2つ以上のPRC素子、またはDSP素子を登録する時の注意点
2つ以上のPRC素子、またはDSP素子をFRD素子に登録しているとき、
FRD素子のダイアログを開き、OK
を押すと回路内のすべてのPRC、DSPの内部変数を初期化します。
これは、制御順序の変更に対応するための仕様となっています。
継続解析や現在の結果をWVFウィンドウで解析中等の場合にはご注意ください。
参考
メイン周波数
FRD周波数
DSP/DSP
パルス変調器/PWM
周波数変調器/SFM
素子パラメーター変調器/DPM
同期制御器/SYC
プログラマブル制御器/PRC