電圧源・電流源を負荷としたい場合
電圧源と電流源は損失として解析されないため、これらを負荷として使用したい場合には、明示的に損失解析に組み入れる必要があります。
そのために、電力素子を使用する方法を説明します。
降圧型DCDCコンバータに電圧源を負荷として接続したサンプル回路「power_device_loss_sample.cvt2」を使用して説明します。
Example
power_option/power_device/power_device_loss_sample.cvt2
Note
回路ファイルはサンプル回路TOPページからダウンロードできます。
回路の読み込み
SCALEを起動し、File->Openをクリックして「power_device_loss_sample.cvt2」を開きます。
File->Open
素子の確認
サンプル回路には損失解析に使用される素子が組み込まれています。
1. Nch FET
2. コア損失解析対象素子(インダクタ)
3. 電力素子
4. 電圧プローブ
5. 電流プローブ
電力素子の設定方法
パラメータダイアログ
電力素子(Sensor:PWR)は損失解析のみで有効であり、任意の電圧と電流の積として電力を損失解析に組み入れることができます。
PWR素子をダブルクリックすると、パラメータダイアログが表示されます。
パラメータ | 意味 |
---|---|
Symbol | 素子シンボルを設定します。 |
Voltage | 電力を計算する電圧を選択します。 |
Current | 電力を計算する電流を選択します。 |
Mode | 電力モードを選択します。これは、損失解析リストの3つのリストに対応しており、Loss、Storage、Powerはそれぞれ損失、蓄積電力、一般電力を表しています。 |
Negative | 電力の正負を反転させるときはチェックをいれます。 |
Note
電力素子のパラメータは、メインウィンドウのANALYSISモードで設定しなければなりません。
パラメータの入力例
電力素子は主に、電圧源または電流源が負荷として接続されている場合に使用します。電圧源、電流源の電力は損失として計算されませんので、これを損失として解析する為に、この素子を用いてそれらの電圧、電流を指定し電力を計算します。
サンプル回路は電圧源が負荷として接続されていますので、ModeはLossを選択します。
Note
電力素子のModeは基本的にLossを選択して使用します。
損失解析前の準備
損失解析を行う前には、事前に定常状態にする必要がある為、初めに、Analysis:Transientでシミュレーションを行います。
10msのシミュレーションで定常状態になります。
Analysis->Transient
シミュレーション後にパラメータをアップデートします。
Parameter->Update
詳細損失解析(理想損失解析)を行います。
Power->Power->Detail Switch
パラメータ設定
下記の通り、各パラメータを設定します。
SW Base:*CVT
Ac Freq:0
Tolerance:1
Nsmpl:0
結果リストの確認
下図の通り、結果リストが出て、解析完了となります。
電力素子PWR1で計算された電力は損失リストに表示されます。